DNA 共振

雑踏の中で、誰かと見詰め合ってしまう瞬間がある。
今のは何? なぜ?
遠い遠い昔、どこかで同じ時代を過ごしたのかもしれない。
ひとつだったのかもしれない。
 



ロケーション : 2006年1月12日(木) Ken の店
登場人物 : Toi ・ Satty ・ Zigger ・ Ken ・ Kyoji ・ Mu

(・・・なにコレ!?)

Toi ナレーション : 私の中で、何かが震えてる・・・。
一度も体験したことの無い、立ちすくんでしまう衝動に包まれる。
いったいぜんたい・・・何コレ?
そう想いながら、私の視線は宙に舞い、意識だけは彼に釘付けでした。
思い出せませんが、たしか彼も似たような素振りだったような・・・

おやおやっ! あらまあっ! んっ、どうかした?

Toi ナレーション : バレバレだったそうです。

放っておいましょ! ・・・・・・ あはっ、パパはちょっぴり複雑らしいぞ! あらっ、自分のこと棚に上げちゃって・・・もうっ、Satty ! へえーっ! こりゃいいや!

Toi ナレーション : Ken(けん)さんのお店の、年末年始の慌しさが過ぎ去って一息、週末前に臨時休業したこの日は、昨年末の全日本で8年ぶりに頂点に返り咲いた Ken(けん)さん、夏の渡米参戦でセンセーショナルなデビューを飾り Zigger(ジガー)というニックネームがついた侍雅(じが)さん、そして年末のプロテストに合格した Kyoji(きょうじ)さんの合同お祝いパーティーでした。

ではでは、みなさん、オメデトー! カンパーイ! 一同 : カンパーイ!

Toi ナレーション : 仕切りは Mu(むつみ)さん、その補佐を父が、テーブルを一台食卓にして内輪だけの気軽な集まりでした。
カウンターもあり、球屋さんはこんなパーティーにうってつけです。
9フィートのテーブルは、周りに程よい空間があるので、板を渡して防水のシートを被せれば、四方から使えるパーティーテーブルの出来上がり!
この日は Mu(むつみ) さんが、何処から見つけてきたのか煌(キラ)びやかなシートを用意してました。

コレお祝いね! えーっ、コレだけー? ・・ウソウソ! サンキュー! こんなの見たこと無いよ、さすがだね! 目の付け所が! もうっ! ワインだってあるでしょ! ワ・イ・ン! イッタダキマース!

Toi ナレーション : 内輪の気軽なパーティーはとても楽しかったそうです・・・父によると。
私は・・・・・・。

恭(きょう)ちゃん、プロテストの話聞かせてよ えーっ! ・・・イイですよそんな おうっ、興味あるなそれっ もう、マスターまでそんなこと・・・勘弁してくださいよ そっか、そっか、ははっ まわりがこんなだと辛いね 恭(きょう)ちゃん! ホント、侍雅(じが)なんて Zigger(ジガー)ですからね今年から! 選手名登録認められたんだって? ああ、逆輸入でね、外圧ってやつ? 前例作ったのよ、それも勲章よね! ・・・・・・ 侍雅(じが)くん! ・・・ Zigger(ジガー)! えっ? あっ、ハイ?

Toi ナレーション : 父によると、最初は Zigger(ジガー)さんも私と似たような様子だったとか・・・

あっ・・・・、もういいわ、なんでもないの、ハイッ、ワインどうぞ、プリンス・ジガーさん! へっ? あははっ! こんな侍雅(じが)初めて見ますよ! へエーっ、意外だナー! まあ、いいんじゃないの、そろそろ・・ あらっ? 自分もそうだったって言いたいわけ? おっとー ・・フムフム! って、そうじゃないだろ! 振るなよ話を、アイツの話だろもう、頼むよ! ったくもう・・・ 動揺しなくても良いんじゃ? あは。・・・そうそう、そういえば Mu(むつみさん)、聞きたいなあの話 なんの? ほらっ、侍雅(じが)くんが Ken(けん)さんの門を叩いてさ ずいぶん前の話だなーっ、それ前世紀だよもう 彼がこっちに引越した時に Mu(むつみ)さんがホラッ あー、あの話・・・ なになに? Ken(けん)さん知らないの? 侍雅(じが)くんの持ち物全部捨てたって話 えっ! 聞いてないよそんな話、アイツ言わないし。Satty は知ってんの? いや、捨てたって話だけ、だから聞いてんのそっから先を、ねっ Mu(むつみ)さん! Ken(けん)に話してなかったっけ? じゃ仕方ないわね・・・

Toi ナレーション : 侍雅(じが)さんの話題になったことは、途中で気がつきました。
その時はもう遅すぎて、内容は解りませんでしたが・・・

・・・とまあ、そんなだったかしら? ・・・いやっ、アハ・・・ だからね、今の Zigger(ジガー)が誕生したのは私のオ・カ・ゲ! そうよねっ! あっ・・・ハイ、その節は・・・いや参ったな・・・ 一同 :  ホエーッ! 恐れ入りました! じゃ敬意を表してね! 私にカンパイ! 一同 :  ハハーッ! カンパーイ!

Toi ナレーション : 何かとても大切なこと聞き逃してしまった気がして、私は焦りました。
でも、もう一度なんて言えないし・・・。 侍雅(じが)さんは普通に受け答えしてるし・・・私だけ・・・上の空だったの?

あっ、そうだっ、忘れてたわ! Toi(とわえ) ちゃん! 侍雅(じが)くん! えっ? はいっ! ・・・あっ、はいっ! SPRout(うち)でねっ、天才プレーヤー Zigger(ジガー)のHPプロデュースしようと想ってるの。 色んなクリエーター絡めてねっ、彼女達に自由に表現させるから、変幻自在よっ! はあ・・・? Toi(とわえ) ちゃん! あなたディレクションしなさいっ! えっ! オイオイ・・・ これは仕事の話。 口出しは無用よっ! 参ったな・・・ はは、流れってヤツかな? 止めらんないねこりゃ・・・。 降参しちゃいな Satty ! え? ・・・まあね、口出すつもりはないけど・・・複雑・・・ じゃ、そういうことで、OKね! ・・・んーっ、・・・降参! ハイッ! 了解取れたわよ Toi(とわえ)ちゃん! 良いわね、二人で打ち合わせしながら決めなさい! あっ、ハイッ! 解りました! ハーイ! ・・・調子良いんだからもう、二人とも! ヨッ、ご両人! んだよ、茶化すな! フーン! ・・・・・・

Toi ナレーション : 私は有頂天でした。
これからは公然と、天才プレーヤー Zigger(ジガー)に会える!
それだけで、とにかく嬉しくてたまらなかったのです。

そろそろかしら?

Toi ナレーション : 9時を少し回った頃、私たちの話で、一応パーティーはお開きになりました。

Satty 、撞いてくかい? いや・・・止めとく・・・ おやおや、そうかそうか・・・ 今度ね、侍雅(じが)くんとも撞きたいし・・・また来るわ OK! 待ってるよ、今日はサンキュー! んじゃねっ! 私、酔い覚めるまでいるから、またねっ! んー、お先! 失礼しマース! Toi(とわえ)ちゃん、こんどお友達紹介してヨねっ! 失礼しマース!

Toi ナレーション : 父はふだんからほとんどお酒を飲みませんから、こんな席でもお茶で普通にお付き合いしてます。
本人は 「ナチュラルハイだから必要ないんだ」 なんて言ってますが。
私達は一足お先に、父の車に乗って帰路に着きました。

( 高速に入る前に聞かなきゃ・・・)

Toi ナレーション : 私は、聞きそこなった侍雅(じが)さんの話をとにかくハッキリさせたくて焦ってました。

ねえお父さん! んっ? さっき話してたこと、侍雅(じが)さんの荷物がどうのこうのって・・・ ああ・・・ 教えて? なんだ、聞いてなかったのか? ・・・あんまり おやおや! ねえ、お願い! わかったワカッタ・・・

Toi ナレーション : この時の父の心境にまで気を配る余裕なんて私にはありません。
とにかく何でも、彼のことは知りたかったのです。
そして驚くような話を聞かされ、私は少しだけ、Mu(むつみ)さんにジェラシーを感じてしまいました。
今日の出来事を思い起こせば、感謝しなければいけないのに・・・
 
変貌の掟 へ続く

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